煽りみたいなタイトルでご免なさい。でも、ウソではありません。
夜景撮影は、人物や動物のように一瞬の表情を捕らえなくてもよい被写体。そして、長時間露光という魔法により、実際に目の前に広がる夜景よりも、美しい写真が仕上がることがあります。結果的に、難しそうにみえて、基本さえ押されてしまえれば、誰でも簡単に感動的な夜景写真が撮影できてしまうのです。
でも、私は写真でみる夜景よりも、生でみる夜景の方が、何倍も好きです。はい。
夜景撮影のパーフェクトを100%とすると、60%は「基本機材と基本テクニック」でクリアできます。図解します。
最低限の機材である一眼レフ、ミラーレスを購入し、最短1~2週間で満足するような夜景が撮影できるようになります。もちろん、デジカメやスマホでもそれなりの夜景撮影できますが、頑張っても”伸びしろが少ない”のがデジカメやスマホなのです。
本記事は、「頑張らずに、綺麗な夜景写真を撮影できるノウハウ」ですので、一眼レフ、もしくはミラーレスでの撮影で話を進めます。
次に、夜景撮影のマストアイテム「三脚」の大切な話。
カメラの垂直方向・水平方向を独立して可動させられる2ハンドルの雲台が必須。1つハンドルでは、カメラ調整が超絶難しい。
そして、補強ステーが無い三脚が必須。これは、夜景撮影の現場では、三脚の足を個別調整しないと撮影できないシーンが数多く発生するからです。例えば、こんな感じ。
窓ガラス ギリギリに三脚を近づけるためにでは、三脚の足を自由に動かせる必要があるのです。このような三脚は、実売で2万円前後から揃えられるでしょう。
お次は、「1時間で撮影の基礎覚える+3ヶ所で夜景撮影の実地練習」について。
「1時間で撮影の基礎覚える」は、既に一眼レフやミラーレスを持っている方は、「夜景撮影の基本系」以降を読みましょう。これからカメラを購入する方や、基礎の基礎から勉強したい方は、新デジタル一眼夜景撮影超入門 (Gakken Camera Mook 超入門シリーズ)がお薦めです。私も寄稿している書籍です。
「3ヶ所で夜景撮影の実地練習」とは、具体的には「郊外の大規模な夜景スポット」、「強い光がある都心型 夜景スポット」、「三脚が許可された室内型 展望室」の3ヶ所。この3ヶ所で、そこそこ撮影できるようになれば、何処でも"ある程度"通用します。
「郊外の大規模な夜景スポット」 菜の花台(ヤビツ峠)(神奈川県)、摩耶山(神戸市)、皿倉山(北九州市)など。
「強い光がある都心型 夜景スポット」 お台場海浜公園、横浜ワールドポーターズ ルーフガーデン、オアシス21(名古屋)など
「三脚が許可された室内型 展望室」 横浜ランドマークタワー、コスモタワー 大阪府咲洲庁舎展望台、福岡タワーなど
最後の10%は機材の差が生み出すものです。特にレンズ性能が最も影響が大きいです。
このような書き出しにしてしまうと、「どうせ、高額レンズでしょ」と思われますが、そうではありません。
まずは論より証拠。次の2つの写真を比較して下さい。
↓SIGMA 17-35mm F2.8-4 EX ASPHERICAL(発売時期2000年、実売 約6万円)
↓Ai AF Nikkor 50mm f/1.4D (発売時期1995年、実売 約3万円)
小さな写真でみると違いは分かりませんが、等倍比較すると、安価で古いレンズの方が、明らかに高解像度ですよね。言い換えれば、Webで閲覧する程度にリサイズした写真であれば、レンズ性能の差はごく僅かです。
Ai AF Nikkor 50mm f/1.4Dで撮影した写真は、ズームできない単焦点レンズ。ズームできない不便さの代わりに、解像度が高く、かつ安価なのです。
誤解の無いように説明しておきますと、ズームレンズでも単焦点レンズ同等の解像度を持つレンズもあります。ニコンでは大三元と呼ばれるレンズや、キャノンではLレンズ(そのなかでも、さらに高額なレンズ)です。どちらも20万円前後です。
また単焦点でも高額なレンズがあります。カールツァイスと呼ばれる単焦点のみを扱うレンズです。このあたりは、また別の記事で説明しますね。
次章 夜景撮影の基本
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