各メーカーを代表する高性能レンズ「大三元レンズ」。F2.8通しのレンズで、1本20万円前後する高級レンズを指します。
3本揃えると軽自動車が購入できるレベル。でも、私は単焦点派。大三元は所有していません。
おぃ、、、
でも、こんな私でも大三元レンズの超広角レンズ「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」の購入に悩んだ時期がありました。今回は、そんなお話。
2015年にモンテネグロに夜景取材したときに、コトルで出会った夜景がコレ。Nikon D700 + Carl Zeiss Distagon T* 2.8/25
ドゥブロヴニクからレンタカー(Mercedes A-class)で国境を越えて、約3時間ほどで到着するビューポイント。標高差900mから眺める夜景は、光量は多くはありませんが、中央に山を挟んで両サイドに夜景が広がるスケール感は圧巻。この高揚感はモナコで出会った夜景以来です。
取材時に持参したレンズは、焦点距離25mmと50mmの2本のみ。広角レンズで収まりきらない夜景は多々ありますが、その一部を切り抜くだけで、満足いく夜景を撮影できました。しかし今回は違います。夜景の中央に山を挟むため、焦点距離25mmでは雄大さを表現しきれないのです。 そこで、焦点距離25mmで撮影した写真を2枚 Adobe Lightroomでパノラマ合成して、やっと満足できる写真になりました。
もちろん、パノラマ合成すれば解決できることではあります。でもやはり、1シャッターで満足できる写真を撮りたい気持ちが抑えられず、帰国後、焦点距離18mm級の超広角レンズを検討開始。
私の常用レンズは「Carl Zeiss」で通しているので、候補は「Carl Zeiss Distagon T* 3.5/18」。しかし、大三元の超広角レンズ「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」も気になりました。これはニコン標準レンズ銘玉。
そこで、撮影例を見たく調べていくと、両方のレンズで夜景撮影経験のある強者がいらっしゃることが分かりました。早速、Photolog - RIKIの運営者RIKIさんに連絡。「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」で撮影した写真がコレ。素晴らしい~
赤枠を等倍切り出してみます。
なんと、ズームレンズで発生しがちな非点収差が発生していません。非点収差とは、画面中央から離れるに従って、光源がずれる現象です。(左図)光源を中心にパープルフリンジ(紫色の偽色)は発生していますが、こちらはレタッチで修正可能。
RIKIさんに、両レンズでの夜景撮影時の印象を聞きました。
私の印象としましては、Zeiss 18mmは周辺に少し滲みが出ていた気がします。ですが、補正で簡単に直ってしまうので気にする事の程でもありませんでした。
ピントリングに関しては、流石はカールツァイスですね。回し切るとピッタリと無限遠でした。私も暗がりの中で撮影する事が多いので、ピント調整が簡単だと非常に助かります。あとは撮って出しの写真でもコントラストが他のレンズとは違っていた印象を受けました。
対して、Nikon 14-24はズームがある分有利ですね。シャープさは単焦点とほとんど大差がないかと思います。こちらも開放側ですとパープルは出てきますが、補正で簡単に消えてしまうので気にせず撮れます。万能性の高いレンズです。
私は、zeiss18mmから14-24に買い換えましたがどちらも非常に良いレンズだと感じてます。Zeiss のフォーカスリングの滑らかさと作りは最高です。持っているだけで、楽しくなるレンズです。
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悩んだ結果、Carl Zeiss DISTAGON T*3.5/18mm ZF.2を購入しました。決め手はCarl Zeissレンズの特徴でもある「フォーカスレンズを回しきったところが、ぴったりと無限遠になる快適さ」です。 ( ぴったり無限遠にならないレンズも存在するようですが、私は3本とも回しきったところが無限遠でした。 )
もちろん、大三元レンズのような明るいレンズであれば、暗い夜景スポットでも、ほぼオートフォーカスが利用できます。ただし、ピントを光のある場所に合わせてオートフォーカスする「ひと手間」を無くしたいなぁと
さらに、レンズが非常に大きく、レンズも出眼金で扱いに慎重にならざる得ないことも、ずぼらな私には向いていないかもと^^;
あと、私自身がCarl Zeissが好きなんでしょうね。レンズ性能も素晴らしいですが、Carl Zeissブランドが生み出す所有感と、適度な重量感と、手でレンズを触ったときの感覚が気持ちイイんですよね。
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