「夜景なんて、夜だったらいつでも見えるのでは?」と、考えるのが普通ですよね。でも、何気ない夜景でも、旬の時期があります。身近な例で例えると、星観測はどんな環境が好ましいのでしょうか? きっと「まわりが暗くて、空気が澄んでいる冬」ですよね?
夜景も見ている光こそ違うものの、星観測と同じです。周囲が明るい場所よりも、暗い方が夜景の光がきわだち、夏よりも冬の方が、遠くの光まで見えます。
こんなことを書いてしまうと、「結局、冬以外は夜景がきれいじゃないんだ!」と思われてします。でも、夜景は季節を問わずに楽しめるレジャーです。そんなレジャーってあまりないですよね?
ここでは、1年中楽しめる夜景を、少しでもきれいに見れる為の、ちょっとしたアドバイスを披露していきます。
まず、6都市の平均気温と降水量のグラフを作ってみました。(折れ線:気温、棒:降水量)がそして、今まで夜景を見てきた経験により「気温15℃以下、降水量100mm(金沢は150mm)以下」のシーズンを「夜景ベストシーズン」としてみました。
すると、降水量が多い金沢(北陸地域は他地域よりも降水量が多い)以外は秋からGW頃までが夜景シーズンとなります。また気温の関係で、緯度が高いほど夜景シーズンの期間は長いですが、冬は雪のため山に登ることができません。
次は夜景が最も美しく見える時間帯についてのお話です。人それぞれ美的感性がことなりますので、一概にはいえませんが、下記表の様にまとめてみました。
場所 | ベストタイム | 評 価 |
---|---|---|
オフィスビルが中心 | 平日の20時まで | 例えば東京タワーからみる首都圏の夜景は、ビルの明かりが中心となります。よって、オフィスの明かりがある平日の早い時間が最も光量が多く、見応えのある夜景となります。 |
大・中都市レベル | 23時まで | 東日本だと高尾山、西日本だと生駒山からの夜景がこれにあたります。このレベルの都市であれば、深夜まで交通量があり、街の光も十分です。 |
住宅街が中心 | 21時まで | 政令指定都市を持たない県がこれに当たります。このような場所は深夜になると、住宅街の明かりはあるものの、交通量が激減するために道路を走り行く車のライトが減ります。結果として、夜景にアクセントが無くなり21時ぐらいまでがベストタイムといえます。 |
港や川や湖などが中心 | 真っ暗になる直前 | 日本三大夜景や、港の見える丘公園などが、これに当てはまります。夜景に「水」がある夜景は、真っ暗になる直前が最も美しさを増します。日本三大夜景の稲佐山を見れば、わかるかと思います。 |
先ほどの表からすると、首都圏の夜景は「平日の20時」までがベストタイムと思われますが、平日でも「週初め」が一般的に夜景が美しく見えます。
何故でしょうか? それは、首都圏は網の目のように道路が走っており、どこも慢性的な渋滞、そしてクルマからの排気ガス。これが大気を汚しています。しかし、週末になれば、首都圏の交通量は減り、大気はリフレッシュされます。すると、リフレッシュされた直後の「月曜日」や「祝日明け」が、平日では最も大気状態が優れているといえます。
このような理由により、首都圏は「月曜日か祝日翌日の20時まで」が夜景ベストタイムといえます。
大気中には、クルマの排気ガスを初めとして、様々な塵などが舞い散っていて、夜景観賞に少なからず影響を与えます。夜景は光を目で味わうものであり、空気中の塵により、その光が目に届くまでに、光が塵に乱反射します。塵が多ければ多いほど反射が多く、結果として目で見える光は、ぼやけたものとなってしまいます。
そんな塵など大気中のゴミを一層してくれるのが、雨です。雨上がりの晴天は空気が美しく感じたことはありませんか? まさにこのことです。