「トップ・オブ・ザ・ロック(略称TOR)」と聞いても、日本人にはなじみのない展望台。しかし、ロック・フェラー・センターのスケートリンクは聞き覚えがある方が多いのではないでしょうか。
毎年10月中旬からニューヨークで一番有名なスケートリンクとなるロック・フェラー・センター。ここに高さ260mのGEビルディングがそびえ立ち、最上階がトップ・オブ・ザ・ロックと呼ばれる展望台になっています。
ニューヨークには、ワン・ワールド展望台、エンパイア・ステートビルにも展望台がありますが、ここが最もニューヨークらしい夜景が味わえる展望台。
その理由は、マンハッタンのビル群が密集するミッドタウンに位置していて、かつエンパイア・ステートビルのライトアップを楽しめるからです。
エンパイア・ステートビルは、自由の女神と並ぶニューヨークの象徴であり、このライトアップを楽しむには、ワン・ワールド展望台からでは、さすがに遠すぎます。
また、北側にはTop of the Rockや、エンパイア・ステートビルよりも高い超高層マンション「432 Park Avenue」がそびえ立ち、2014年までは夜景的には少しモノ足らないセントラルパーク側の夜景も、締まった夜景に仕上がっています。
Top of the Rockはエレベータが到着する67階、そして69階、70階の3フロアが展望台になっています。67階は屋内からも夜景鑑賞できます。
69階は屋外デッキで全面ガラス張り、そして70階は安全策もガラスもない完全オープンな屋外デッキ。まさしくGEビルディングの屋上が展望台になっているのです。
その開放感は、ワン・ワールド展望台やエンパイア・ステートビルでは味わえないもの。エンパイア・ステートビルとTop of the Rockで悩んだら、エンパイア・ステートビルよりも空いていて、開放感溢れるTop of the Rockをお薦めします。
私が取材したのは2015年9月の晴天の日曜日。チケット売り場の到着時間は21時20分です。
チケット売り場は、GEビルディングの地下1階にあり、少々分かりにくいです。チケットはATMのような自動販売機で購入します。チケット自動販売機は10台ほどありますので、混雑時でも比較的スムーズに購入できるのはないでしょうか。取材時は、遅いめの時間のため、行列はありませんでした。
さて、このチケット購入ですが、入場時間を指定する必要があります。まずは、今から入場できる最短の時間が表示され、「+」「-」ボタンで、空いている時間を指定することができます。
なお、画面下側に残り時間(REMAINING)が表示されます。3分以内に決済までしないと、仮指定した時刻が無効になってしまいすので、ご注意下さい。またカード決済時のサインは、画面上に指タッチでサインを描く方式です。
チケット購入後は、チケット売り場と同じフロアにあるセキュリティゾーンへ向かいます。ここでは、チケットに表示された入場時間になっているかどうかを係の人がチェックします。
私は15分後のチケットでしたが、人が少なかったことあってか、入場時間に関係なく全てのチケット保有者を通過させていました。
セキュリティは機械が1~2台しかなく、混雑時には相当な時間がかかる予感です。ただ取材時は21時半頃でしたので、数分で通過できました。
次は写真撮影、そして映像を愉しむエリアへ向かいます。実際にはここがエレベータ待ちのウエイティングルームになっており、できるだけ入口から奥に入ると、映像終了後のエレベータに早く乗ることができます。
なお、取材時はチケット購入エリア到着後から20分で展望台へ到着しました。
Top of the Rockはセキュリティチェック、エレベータ行列をパスできる優先チケットの販売はありません。唯一存在するのはオンラインでチケット購入、もしくはシティパスの事前購入で、チケット購入行列をパスのみです。(2017年に優先入場できるVIPチケットが販売開始されました。)
オンラインチケットには2種類あります。日時を指定するチケットと、指定しないチケットです。後者の場合は、チケット行列に並ばず優先レーンに並び、現地で時間指定を行います。(シティパスも同様です)ただし、この場合、トワイライトタイムなど人気時間帯は売り切れているリスクが残ります。
そこでお薦めの購入方法は、次の通り。21時頃であれば空いているので、現地でのチケット購入。金曜日を除く平日にトワイライトタイムを狙うのであれば、現地で夕方の天候を確認し、天気が良ければ午前中にチケットブースでトワイライト1時間前ぐらいの時間帯を指定して購入。金土日祝のトワイライトタイム狙いであれば、オンラインで日時指定チケット。ただ、日本でのオンラインチケット購入は天候リスクもありますので、ご注意下さい。
NYの展望台は、どこも三脚の持ち込みはできませんが、70階の屋外デッキであれば、とくに準備なくても夜景撮影が行えます。屋外のため室内光の反射はなく、かつ展望台の石のような手すりにカメラを置くことができますので、セルフタイマーを使えばぶれずに撮影できます。
ただ、このままでは下方向にカメラを向けて撮影できません。そのためカメラ固定クッションか、自作自由雲台などがあると撮影の自由度が高まります。