北欧には超高層ビルが少なく、夜景を眺めるためには、山や丘に登る必要があります。そのようななか、フロイエン山はアクセスの良さと、夜景の美しさで、北欧最高峰の夜景スポットでしょう。
フロイエン山が位置するベルゲンはオスロに次ぐ第二の都市ではありますが、人口27万人とそれほど人口は多くありません。しかし、フィヨルド特有の入り組んだ地形のため、平地は少なく、街の中心部に住宅が密集しています。そのため、光量が集中して、迫力ある夜景が楽しめる特徴があります。
このような地形的特徴により、2007年完成の展望エリア「フロイ・トラッペン」からは、港と街が入り組む、デザイン性豊かな夜景が広がります。
さらには、日没が夜景が見える方向(西側)になるため、トワイライトタイムには、デザイン性に加えて、色彩豊かな光景が広がり、誰もが感動する極上夜景を魅せてくれます。
ページ下部にある地図に、3ヶ所の展望ポイントがあります。眺望ポイント1が2007年完成の展望エリア「フロイ・トラッペン」で、ほとんどの観光客がここから夜景を楽しみます。
眺望ポイント2は、「フロイ・トラッペン」からは見えない、ベルゲン南部の夜景を楽しめます。そして眺望ポイント3には、木製のベンチがあり、ベルゲン南東部の夜景が望めます。
3ヶ所は歩いて2分ほどで巡れる距離ですので、フロイエン山まで訪れたなら、すべての場所から夜景鑑賞したいものです。
私が取材に訪れたゴールデンウィークは、日没時間が21:40。日本であれば22時頃からトワイライトタイムとなりますが、北欧でのこの時期は23時頃がトワイライトタイム。
さらに、日が沈む西側方向の夜景であるため、完全に真っ暗になるのは24時頃になります。
ケーブルの最終下りは23時です。私が取材したゴールデンウィークに、夜景を思う存分楽しむためには、時間が足りません。そこで、私は2日目は、徒歩で下山することにしました。
下山ルートは2ルートありますが、途中に「フロイエン山 中腹」と掲載している夜景スポットを経由するルートがお薦めです。ルートは、本ページの下段にある地図に青線を引いてあります。徒歩下山は約30~45分ぐらいでしょう。
なお、青線のルートは、車が通行できるほどの幅のある道路です。さらに、取材時は24時以降でも外灯が点灯しており、懐中電灯無しで下山できました。
ただ、いくつか分岐点があるため、迷わないようにオフライン地図などで現在地を確認しながら、下山する必要はあります。また、深夜の治安状況ですが、現地の日本人ガイドに伺ったところ、極めて治安が良く、フロイエン山からの下山について問題ないとのと助言を頂きました。
冬はノルウエーでも最も温暖なベルゲン。これは暖流であるメキシコ湾流がノルウェー海まで流れ込んでいるからです。その一方、海洋の影響で、年間降水日数が235日と、1年の65%が雪か雨という気候です。(東京は100日程度)
過去には85日連続雨が降ったという記録もあり、夜景が美しい都市ではありますが、天候に悩まされる可能性が高いです。
そこで、少しでも夜景を見るチャンスを増やすために連泊を検討してみてはいかがでしょうか。私はベルゲンで2泊して、幸運にも両日とも晴天に恵まれました。ちなみに降水量が最も少ない時期は4月、5月になります。
ベルゲンはノルウェー最大のフィヨルド「ソグネ・フィヨルド」の入口。電車、バス、フェリーなどを乗り継いで、オスロまで絶景を楽しみながら旅行できます。もちろん私も「Norway in a nutshell」というすべての交通機関がセットになったチケットを、事前にネット購入しました。
ベルゲン→フィヨルド→オスロの片道で13時間、約3万円と少々高額ですが、全区間において絶景が楽しめ、お値段以上の体験ができます。ちなみに、フェリーは、2F席の乗船して右手側がお薦めです。出発すると、乗船口側が進行方向となり、フェリー周遊区間、美しい山並みを観賞できるポジションになります。
また、ベルゲン急行ではゴールデンウィーク時期は、ミュルダール(Myrdal)駅から2時間ほどは、車窓から白銀の世界が広がります。こちらも見応えあり最高の列車旅となることでしょう。