>   >  夜景学 第4章

夜景にも観賞マナーがあります

タバコを食べる鹿!信じられますか?

このショッキングな出来事は2002年12月末の早朝起こりました。前日に新日本三大夜景の若草山で夜景取材を行い、そのまま駐車場で毛布に包まり一夜を過ごしていました。翌朝の若草山からの景色を撮影するために、外へ出ると、数匹の鹿が駐車場に集まっていました。奈良公園の鹿ですね。

すると...駐車場に落ちているタバコやガムの包み紙と思われる銀紙を食べているのです!

年々夜景を楽しむ人が増えています。私としては大いに喜ばしいことであります。しかしながら、多くの人が夜景スポットを訪れることによってマイナス面もあります。タバコや空き缶のポイ捨て、深夜に騒ぐといった行為です。

ふとした気の緩みから、ごみを放置し、公園を汚し、そのゴミによって動物たちへの悪影響を与えることもあります。

また夜景スポット付近住民の方々への迷惑もあります。サイトを運営しているを地元住民から場所の公開をやめてほしいという依頼もあります。ちなみに和歌山県の夜景スポット紀ノ川サンシャイン台では住民の苦情により夜間の立ち入りが禁止されました。

みなさんのちょっとした心遣いで、美しい夜景をいつまでも守っていきたいですよね。

最後に福島県の夜景スポット恋人坂には、このような看板が立てかけられています。

「ここは恋人坂です。ゴミを捨てるように恋人を捨てるのですか?」

知っていますか、光害を

光害(ひかりがい)というコトバを聞いたことがありますでしょうか。

私も夜景倶楽部のメンバーの方から教えて頂くまで知りませんでした。簡単に説明すると、不適切な夜間照明の使い方で、エネルギーの無駄遣い、光の上方への漏れにより夜空が明るくなり、星が見えづらくなっているといった障害のことなどを意味しています。詳しくは正しい照明を考えるページをご覧下さい。

一例を挙げると、パチンコ屋やカップルホテル等の娯楽施設などから空に向かって発せられるレーザー光などでしょうか。店舗をPRするために過剰な光を夜空に発していますよね。

確かにこのような光は夜景を楽しむ側にとっても、あまり歓迎されるものではありませんよね。

光害についてはいろいろと論じられてきましたが、私としての考えは、「夜景とは、光を眺めて楽しむレジャーであり、決して夜景ファンが光害を創り出しているわけではない。」です。

光害に対しての先進国では、照明は白色の水銀灯ではなく、オレンジ色の高圧ナトリウム灯が一般的に使われているようです。確かにシドニー、メルボルン、ラスベガスの照明はオレンジ色でした。これは高圧ナトリウムは水銀灯に比べ50%ほど省エネであり、目にも優しい光であるそうです。

日本では街灯などを見渡すとまだまだ水銀灯が利用されています。しかし札幌市では高圧ナトリウム灯をメインに使っており、また市内最大の夜景スポット「夜景100選の藻岩山」をみれば感じるかもしれませんが、このような環境に優しい高圧ナトリウム灯を利用した方が、夜景に温かみがあり、より美しく感じます。

星空を守る会など、環境保護を訴えて県市町村などに対してさまざまな提案・改善活動を行っています。とても大切な活動であり、継続的に続けていって欲しいと願います。

一方、本サイトでは、全国各地の夜景をより多くの人に知ってもらい、そして感動してもらえればと思います。また環境問題については、本ページでも記載している夜景鑑賞マナーをPRしていきたいと考えています。もちろんこの考えは、今後の夜景倶楽部の活動方針のひとつとして持ち続けていきたいと思います。